ロード・オブ・ザ・リング 第3部を観た

3部構成の最後の作品を見た感想。

筋書き

冒頭、ゴラムが今のような怪物になる前のシーンが挿入される。元はホビットによく似た存在だったが、指輪をめぐって仲間を○した事がきっかけで、今のような洞窟に棲む怪物になった経緯が示される。

現在のシーンに移り、フロドとサムはいよいよ敵地に潜入し、薄闇に包まれた荒廃した世界を進む。一行はゴラムの案内する道を進むが、ゴラムには企みがあり、途中で指輪を奪い取る算段を立てているようだ。

ローハン本拠地へ帰還したアラゴルン達、しばし勝利の宴を楽しむが、敵地に落ちていた謎の黒い水晶をピピンが好奇心から触ってしまう。その水晶は実はサウロンの魔力がかかっており、ピピンはあるビジョンを見る。ガンダルフに見たものを説明すると、ゴンドールの都市ミナス・ティリスが冥王軍の次の狙いである事をガンダルフは看破する。ガンダルフは、水晶に触った事で冥王に特定されたピピンをローハンから遠ざけるため、またミナス・ティリスが危ない事を告げにピピンを連れてゴンドールへ急行する。

場面が変わりミナス・ティリス。既に冥王軍が近くまで侵攻してきており、ファラミア達は苦戦を強いられていた。空飛ぶ魔獣に乗るナズグル達にされるがままだったが、ガンダルフが間に合い、光の魔法でナズグルを追い払う事に成功。ゴンドールの騎士はいくらか撤退に成功。

厳しい状況のミナス・ティリス。執政のデネゾールは息子ボロミアが死んだ事で錯乱気味になっており、戦争前なのに現実逃避の状態に。ファラミアの部隊は、勝算無しに突撃するだけの自○同然のデネゾールの命令に従わざるを得なくなる。

フロド達はゴラムの案内で急な階段の上にある、かなり怪しげな洞窟を通るルートへ向かう。周辺の環境はかなりヌメっており、不快な状態である。手持ちの食料は尽きかけており、フロドとサムも心身の限界が近づいている。その状態を見てゴラムが動き、サムが持っている残り僅かな食料を密かに捨て、それをサムが一人で食べてしまった、更にはサムは指輪を狙っていると嘘をつく。精神的に弱っていたフロドはその言葉に反応してしまい、怒りのままサムを置き去りにしてしまう。

フロドはゴラムの勧める洞窟へ入って行くが、どうも雰囲気が怪しい。その予感は正しく、その洞窟は巨大グモの巣でありフロドは襲撃される。いざという時の為にとエルフから持たされていた魔法のお守りアイテムで抵抗。なんとか洞窟を通り抜けられたフロド、出口でゴラムと遭遇して取っ組み合いになり、その途中でゴラムが谷底へ落下。とうとう一人になってしまう。

一人で進むフロドだが、洞窟を出た後も巨大蜘蛛に付け狙われており、不意打ちで麻痺毒を打ち込まれてしまい昏倒。一方のサムは、ゴラムが食料を捨てた証拠を見つけ、フロドの元へ戻る事を決心。道なりに進むと、まさにフロドが巨大蜘蛛の餌食になろうとしているところだった。サムは勇気を振り絞り巨大蜘蛛と対峙し、死闘の末に撃退に成功。(サム、本当に勇者と呼ぶに相応しい)しかし、フロドは目を覚まさず、騒ぎを聞いて巡回にやってきたオーク兵にフロドが連れ去られてしまう。

場面は変わり、ゴンドール内部は敵に包囲され暗い雰囲気になっていた。執政デネソールに任せてはおけないと判断したガンダルフは、ローハンへ援軍依頼の指示を出す。(援軍依頼の指示が狼煙によって山脈や大地を越えて瞬く間に伝達されていく映像が圧巻)狼煙を見たアラゴルン達はセオデン王を説得し、ゴンドールへの大規模派兵を決定する。(覚悟を決めたセオデン王による兵への鼓舞がかっこいいシーン)

セオデン王達がゴンドールへの道すがらの野営地点にて、ローブに身を隠した来訪者が訪れる。それは第1部で旅の仲間結成の際に招集をかけたエルロンドであり、アラゴルンの恋人エルフ(アルウェン)の父親であった。エルロンドはアラゴルンに会いに来ており、娘のアルウェンは冥王の魔力が強まっている影響で衰弱しており、冥王を倒す必要がある事を伝える。また、かつて古代に冥王との戦争の際に冥王の力の源である指輪を切り離す事に成功した伝説の剣、アンドゥリルをアラゴルンに渡す。(冥王との戦争の際に折れたが、保管されていたものを今回のために鍛え直された)。アラゴルンはゴンドールの王になる期待を受け入れ、剣を受け取る。(アラゴルンは実は冥王と戦った王族の末裔である事が劇中で度々示されていた)

それはそれとして、ミナス・ティリス前の軍勢の情報を入ると、ローハンが援軍として行ってもまだ劣勢と言う事が明らかになる。セオデン王は既に死にに行く覚悟だが、アラゴルンは戦力確保に頭を悩ませる。そんな折、野営地近くの洞窟に、過去の冥王との戦いの際にゴンドールと共に戦った豪族の幽霊が住み着いている話を聞く。彼らは冥王との戦いで頑張ったにも関わらず十分な報いがなかった事を呪って悪霊になっており、ガンダルフは乗り気でなかったが、アラゴルンは今一度加勢の依頼に赴く。

洞窟を進み、兵士の幽霊達に取り囲まれるアラゴルン。聞く耳持たずと思われたが、アラゴルンは伝説の剣アンドゥリルを抜いて見せ、我こそは冥王と戦った王族の末裔、もう一度助力してくれれば魂が解放(成仏)される誓約を結ぶ。かくして幽霊の兵士達を援軍を加える事に成功。

ミナス・ティリスではファラミア部隊の突撃は虚しく返り討ちにされ、ファラミアは瀕死の状態、更にオーク軍の猛攻が始まる。大規模な攻城戦が繰り広げられ、門が破られ城内へ侵入されてしまう。指揮を取る人間がいないため、ガンダルフが兵士へ指揮を飛ばしながら自身も戦う。(杖と剣の二刀流の物理攻撃で無双する魔法使いの姿が少しシュール)が、全体としては城内へ押し込められていく。

デネソールは錯乱の末にまだ息があるファラミアと共に心中で焼身自○を図ろうとするが、ピピンがぎりぎり間に入った事でファラミアは助かる。オーク軍が扉1枚先という所まで追い詰められて絶対絶命だったが、ようやくローハンの援軍が到着する。

セオデン王の掛け声と共にローハン軍が突撃し、オーク軍との大規模戦闘が始まる。騎馬で有利なローハン軍がオーク軍を蹴散らしていくが、オーク軍が戦象を投入。(冥王に与する人間の部族達が、いかにも蛮族感あり、また巨大象とかいうロマン全振りな存在も相まって良き)戦線はカオスになる。

セオデン王の前に、幽鬼ナズグル達のリーダー、アングマールの魔王が登場。セオデン王が倒されてしまうが、セオデン王の姪エオウィンとメリーが立ち向かう。『"man" (人間)には私は倒せない』とのたまうアングマールの魔王に対し、メリーが不意打ちして隙を作り、エオウィンが討ち取る事に成功。兜を外し長い髪をさらして『私は"man"(人間の男)ではない!』と言い返す姿がカッコいい。(エオウィンは女である事を理由に今まで戦場に出させてもらえなかったため、ここで大きな感慨が生まれる)

戦況は一進一退だったが、アラゴルン達が幽霊兵士の援軍を連れて到着。圧倒的な機動性で戦場を駆ける幽霊兵士の攻勢が決定打になり、オーク軍は遂に壊滅。幽霊達は誓約を果たした事で成仏し、ミナス・ティリス防衛戦は成功に終わった。

オーク兵に囚われたフロド、指輪の事はバレて無いが時間の問題であり絶体絶命。しかしサムが助けに単騎突入。第1部とは別人のように無双するサムによりフロドは助けられ、2人はいよいよ滅びの火山の麓に到着。しかしオーク兵が無数にいて火口まで近づけそうに無い。

戦争に勝ったアラゴルン達だが、決定的な勝利ではなく一時的なものである事を自覚していた。フロド達が指輪を葬るしか完全な勝利は成し得ないが、もはやガンダルフにもフロド達が無事かどうかが掴めなくなっていた。そこで、アラゴルンは2人の成功に賭けて、火山の麓のオーク兵の注意を引くための陽動作戦を提案する。仲間からもあまりにも無謀に思われたが、皆を納得させ、残りの兵を連れて敵地のど真ん中へ出陣する。

冥王サウロンが分かりやすい陽動に乗るかどうかは賭けだったが、オーク兵の大半をアラゴルン達の殲滅へ向けてきた。あっという間にオークに包囲され絶対絶命だが、『フロドのために』と告げアラゴルン達は捨て身の突撃。最後の戦闘が始まる。(アラゴルンの突撃に真っ先に追随するのがメリー、ピピンの2人というのが、旅を通しての変化を感じられて感動)

フロド達はオーク兵が突然どこかへ行ってしまった事に困惑しつつ、チャンスを逃がさずいよいよ火口に到着。灼熱の火山を登る2人はもう装備も捨ててボロボロの状態。(指輪をネックレスにしているフロドの首元がとても痛そうな痣だらけになっている事から、背負っているものの重みが視聴者にも伝わる)冥王の魔力にあてられて途中で動けなくなってしまったフロドをサムが背負い、『指輪の運命は背負えないが、あなたは背負う事は出来る』と告げ、フロドを抱えて斜面を登る。(サムもだいぶ限界が来ている)

遂に溶岩へ投げ入れるポイントまで到着。後は投げ入れるだけになるが、なんとここに来てフロドが指輪の誘惑に屈してしまい、指輪の力を使って逃亡を図る。(当時の宣伝でよく見たフロドの悪辣な笑みが印象的)失敗に終わるかというところで、後を付けていたゴラムがフロドに飛び付き、指輪を嵌めたフロドの指ごと噛みちぎって奪い取る。フロドとゴラムが取っ組み合いを始め、ゴラムは指輪と一緒に溶岩へ落ちる。フロドはギリギリで崖に捕まっており、手を伸ばしたサムに捕まり生還。指輪は溶岩により溶けて無くなる。崖に捕まっていたフロドはそのまま指輪目掛けて溶岩に突っ込んでいきそうだったが、何とかサムの手を取ることが出来、生還。(フロドが指輪への執着を振り払った瞬間に指輪が溶けて無くなる演出がナイス)

指輪が葬られた事で冥王サウロンは断末魔をあげながら遂に消滅。支配下にあったオーク軍は消滅したり散り散りに逃亡し、人間・エルフ・ドワーフ達の連合軍は決定的な勝利を得た。

指輪を葬ったフロドとサムは、火山が噴火して周囲が溶岩に包まれた事でもう故郷へは帰れない事を悟る。(このあたりの二人のやり取りや、余韻が最高に良い)二人は気を失うが、ガンダルフによる救助が間に合い生還。

後はエピローグ。ミナス・ティリスへ戻った皆は再会と旅の目的の完遂を祝う。アラゴルンは王の座に就き、アルウェンと結婚。フロド、サム、メリー、ピピンの4人は功労者として大きな感謝を受ける。エオウィンは亡きセオデン王の後を継ぎ、ファラミアはアラゴルン王の良き補佐になりそう。犬猿の種族だったエルフのレゴラス、ドワーフのギムリも旅を通じて大きな絆が生まれた。

ホビット達も故郷に帰り、サムは旅で得た勇気を元に想い人にアタックして成功し結婚。完全にハッピーエンドの雰囲気だが、フロドは旅の合間に受けた傷や恐怖でPTSDになっており、塞ぎ込んだ日々が続く。

ガンダルフやエルフ達は、世界の危機が無くなった事で遠い海の向こうの本来の世界へ帰るという。なんとフロドも一緒に別の世界へ往くことに決めていたようで、ここでサム達とフロドは今生の別れに。フロドが乗った船が、朝日が昇る海の彼方に溶けて消えゆく幻想的なラストシーンで映画は終わり。

感想

初めて3部作通して本編を見たが、物語の導入からエンディングまで、ファンタジー世界に浸れる作品だった。原作の指輪物語は後世のファンタジー作品に多大な影響を与えたというのも肌で理解できるくらい、エンタメファンタジー分野の『原点』感の雰囲気を感じられた。

その割に少し意外だったのが、主人公のフロドが旅の目的を達成したにも関わらず、精神の傷によって完全なハッピーエンドにはなれなかった点。これは原作者のトールキンの戦争体験(WW1)に基づいているそうな。

本筋と関係ないが、ラストシーンからエンディングのスタッフロールまでの流れがあまりに綺麗で感動した。エンディングロールで流れていた、世界観やストーリーを表した手書き風のイラストもまた良かった。

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